今回はトビーさんインタビューの後編です。前編をまだ読んでいない方はこちらをご覧ください。一部、本作のネタバレも含んでいますので、まだプレイしていない方は注意してくださいね。
それではどうぞ!
トビーさんに聞いてみた:後編

Toby Fox(トビー・フォックス)
『UNDERTALE』と『DELTARUNE』の開発者。最近は『Balatro』にめちゃくちゃハマっていたらしい。
前編では「Chapter 3&4」がどんな感じのゲームになるか教えていただきましたが、「Chapter 3」と「4」とでゲームの様子がガラッと変わりそうでしたね。
長期間開発されてきた中でのこだわりポイントなどもあれば教えてほしいです。
全部です。選ぶのは難しいけど、強いて3つあげるなら……
1. テンポをよくする
間延びせずスムーズに進むことは、ゲームにとってとても大事なことです。全体のゲームエクスペリエンスに無関係に思えることをえんえんやらされるのは、楽しくありません。
「Chapter 3」は当初、完成版より長かったんですが、あるセグメントを丸々1つカットしました。カットされた部分にはおもしろいコンテンツもいくつかあったんですが、長くなりすぎると感じたので。各チャプターが長すぎると、『DELTARUNE』全体のテンポが悪くなってしまうので、この点に気を配るのは、とても重要なことなんです。

2. 感情に訴えかける
エキサイティングで、チャレンジしがいのあるゲームプレイになるように心がけていますが、それでも結局いちばん大事なのは、プレイした人がどう感じるかだと思っています。
イベントシーン中のキャラクターの配置、動き、タイミングなどには、毎回ものすごく細かく指示を出します。意図したとおりの「感情」に訴えかけないイベントシーンなんて、意味がないですからね。
プレイヤーのみなさんには、キャラクターたちを生きている人間のように感じてほしいんです。それによって何かしら感じ取ってもらいたいし、何かしら考えてもらいたいと思っています。

3. _______がない
昔大好きだったゲームについて話すとき、みんなよく言うのが、「あのゲーム大好きなんだよな……、もう一度プレイしたいな。_______さえなければ!」。わかります?
ゲームを作るときに心がけたいのは、この_______を作らないこと。自分の作品に_______があると気づいたら、どんなことをしてでも、それをなくす努力をしたほうがいいです。カットするとか、オプションにするとか、難易度を下げるとか。「Chapter 3」は、ともすればこの_______になりがちな要素でできています。にもかかわらず、愛しいゲームを醜い性悪モンスターにしちゃうようなミスは犯さずに、うまく仕上げられているといいなと思います。
とはいえ、_______になりそうなものが何もないのは、いいこととも悪いこととも言い切れないところがあります。その作品にはエキサイティングな要素もヘンテコな要素もない、ということかもしれないので。そんなわけで、みなさんはこの_______ が何を意味するのか、考えてみてください。それと、どう発音するのか、僕に教えてください。

ところで今回はNintendo Switch 2 のマウス機能に対応したステージが用意されているんですよね。
はい。2つの「マウス」を操作してプレイする、シンプルなミニゲームをいくつか用意してます。プレイの複雑さでいったら、「クター」シリーズぐらいかな。
(トビーがなんの話をしているのか、誰もわからなかった)
正確には、ニンテンドー3DSの、『クターの粉』ぐらいです。
(トビーがなんの話をしているのか、誰もわからなかった)

クターのミニゲームシリーズ。『クターの粉』は、クターを操作し袋で粉をキャッチするゲームです。
©GIGA RENSYA ©Flyhigh Works
「マウス」で遊ぶミニゲームのひとつ、「エアウェーブ」は、トレーラーにも登場しています。2つの「マウス」を使って、左右両方からえんえん飛んでくる毛玉をブロックしつづけるゲームなんですが、シンプルな音ゲーみたいな感じですね。リズムがない、音ゲー。でもBGMはノリノリです。粉工場の中にいるみたいな感じ。
1人でプレイすることもできますけど、誰かと2人でプレイするのも、すごく楽しいんですよ。「エアウェーブ」では、毛玉をブロックし損ねたのがどちらの「マウス」だったか記録されるので、1人でもプレイできるし、2人で協力してハイスコアを目指してもいいし、「ミス」が少ないのはどちらかを競うこともできます。負けたほうは、粉工場をクビになります。
この「マウス」で遊ぶミニゲームは、「Chapter 4」に入ってます。「Chapter 4」をクリアして、ちょっと休憩したら、どこにあるか探してみてくださいね。
(ちなみに、一応言っておきますが……「Chapter 3」のセーブファイルを引き継いで「Chapter 4」をプレイしている場合、「Chapter 3」で十分な人数のキャラクターを仲間にしておいてくださいね……!)

それでは最後に、プレイヤーのみなさんにメッセージをお願いします!
僕のゲームを気にかけてくれて、ありがとうございます! 「Chapter 2」をリリースしたころと比べて、僕は日本語がずっと上達しました。なので、上がってきた日本語訳を、1行1行全部この目でチェックすることができました。ハチノヨンさんと、すばらしい翻訳者の福市恵子さんのお仕事に、僕の監修も加わって、最高の日本語訳に仕上がったという自信があります。僕たちが作り上げたゲームを、母国語で楽しく体験していただけたらうれしいです! Google翻訳を使ってこれを読んでいる英語スピーカーのみなさんは、ゲーム本編もGoogle翻訳で日本語から英語に訳して楽しんでもらえたらと思います……?
シクヨロ!!

腕が4本。中身はトビーさん……?
トビーさん、ありがとうございました。『DELTARUNE』は本日から配信開始していますので、みなさんぜひプレイしてみてください。
それではみなさん、よいインディーライフを!

開発資料:Lanino/Elnina のキャラクターアート by Nelnal

開発資料:3人によるバンドシーンのオリジナルアート by Temmie
DELTARUNE © Toby Fox 2018-2025. All rights reserved.