バトル以外にはどのようなゲームの楽しみ方があるでしょうか?
我々、というか私がディレクションした作品の特徴であった、
断片的に世界と物語を語り、それを読み解く、あるいはその空白を想像する楽しみは、本作にもあると思います。
ただし、そのための断片は過去作とは少し異なります。
本作における断片は、先ほども少し触れたカスタマイズ要素となり、それは「血の歴史、運命」です。
本作では、キャラクターの「血の歴史、運命」をカスタマイズし、それにより世界と物語を断片的に語るわけです。
「血の歴史、運命」のカスタマイズ?
はい。それぞれのキャラクターの「血の歴史、運命」を解析し、また改変することにより、そのキャラクターの能力であったり、技であったり、見た目あるいは内面的な特徴であったり、世界における役割であったり、関係性であったりを、任意にカスタマイズすることができるわけです。
カスタマイズ要素として「血」あるいは「血の歴史、運命」にフォーカスすることで、
より存在の深いところまでをカスタマイズ領域にすることが、本作の主人公を「血族」とした理由のひとつですね。

宮崎さんのお気に入りのポイントは何ですか?
ここまで触れてこなかった要素を1つ挙げるとすると、「ロール」でしょうか。
それは、オンラインマルチプレイにおいて、プレイヤーに特別な役割とミッションを与え、時にはプレイヤー間に特別な関係性を発生させるような要素です。
と言っても分かりにくいかと思うので、名称や内容などまだ仮として、
いくつか例を挙げて説明いたしますと……
例えば、プレイヤーが「宿命の仇敵」といったロールを持っていれば、
他のプレイヤーの中に仇敵が存在し、それを倒すことが全体的な勝利とは別の個別目標になります。
例えばプレイヤーが「運命的な伴侶」といったロールを持っていれば、
他のプレイヤーの中にいる対象を探し出し、絆を結ぶことで、特別な報酬が得られます。
こうしたロールは、血のカスタマイズにより、任意にキャラクターに設定できますので、
字義的な意味でのロールプレイを楽しんでもらえれば、と思いますし、
そこにドラマ性を感じられるようなものにしたいですね。

自分でロールを設定しますし、テーブルトークRPG※4に近い感じがしますね。
確かにそうですね。
あまり意識していませんでしたが、私の趣味嗜好が影響しているのかもしれません。
少し変わった要素だとは思いますが、楽しんでもらえると嬉しいですね。
※4サイコロや紙などを使って、プレイヤー同士の対話と、ルールブックに記載されたルールに従って遊ぶロールプレイングゲーム。
そういえば、トレーラーで翼の生えたネズミのようなキャラクターもいましたね。本作においてどのような立ち位置になるキャラクターなのでしょうか。

あれは『DARK SOULS』シリーズでいえば火防女のような役割を担うキャラクターです。
拠点にいて、主人公に助言し、導くような存在ですね。
まあ、任天堂さんのハードでリリースするということで、我々なりに任天堂さんらしさを意識したというか……
というと……?
愛らしい、くらいを狙ってみたというか……
実際にはお爺ちゃんなんですけどね(笑)。
(笑)
最後に皆様にメッセージをお願いします。
本作は、PvPvE形式のタイトルであることもそうですが
それ以外でも、我々なりにいろいろと新しい挑戦をしているタイトルです。
超人的なアクション、戦い方の自由度、変化とドラマのあるゲームプレイ、
あるいは、血族のロマンを感じる美術、キャラクターカスタマイズ、世界と物語の断片的な語りなど、さまざまな魅力、楽しみのあるタイトルにしていきたいと思っていますので
ぜひ、多くのユーザーさんに、楽しみにしてもらえればと思います。
本日はありがとうございました。